コーポレートガバナンスコードの改訂、ISO30414、人材版伊藤レポートの公表、人的資本可視化指針等、「人的資本経営」を後押しするような様々な動きがあり、人的資本経営の実現と人的資本情報の開示に向けた新たな潮流が生まれています。
日本CHO協会では1年間をかけて、「人的資本経営」のPDCAに関する最新動向・最新情報を、多方面からのゲストをお迎えし、シリーズでご紹介していきます。
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さて、今回取り上げるテーマは“リスキリング”です。リスキリングは人的資本経営における人材育成の中心的役割を担い、DX等組織の変革を実現する人材を育成し、同時に働く人々のスキルギャップを解消し、雇用維持を実現します。
人材版伊藤レポート2.0では、目指すべき将来と現在との間のスキルギャップを埋めていく「リスキル・学び直し」を、人材戦略に求められる5つの共通要素のひとつに掲げ、
『経営環境の急速な変化に対応するためには、社員のリスキルを促す必要がある。また、社員が将来を見据えて自律的にキャリアを形成できるよう、学び直しを積極的に支援することが重要である』
『CEO・CHROは、組織に不足するスキル・専門性の獲得を社員に促すに当たって、学ぶことや、失敗に終わったとしても学び挑戦をする姿勢そのものを称える企業文化の醸成の観点からも、その成果に応じ、キャリアプランや報酬等の処遇に反映できるよう、制度の見直しも含めて検討する。その際、組織のニーズのみに限定されない社員の自主的な学び直しにも配慮する』
『CEO・CHROは、社員が社外で学習する機会を戦略的に提供し、リスキル・学びを促す』と提言しています。
今回の公開講座は、ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表として、政府・自治体向けの政策提言や企業向けのリスキリング導入支援、リスキリングの啓発活動を行なっている後藤宗明氏をお迎えし、このリスキリングについて、様々な視点から掘り下げます。
日本CHO協会の会員以外でも、CHRO(人事最高責任者)や人事部長等、「人的資本経営」の実践をリードする方々や、人材開発・キャリア開発の責任者層の方々は勿論のこと、人的資本経営やリスキリングに関心のある方であれば、どなたでも参加できますので、奮ってご参加ください(参加費無料)。
【登壇者のご紹介】
一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ 代表理事
SkyHive Technologies 日本代表 後藤 宗明 氏
- メッセージ
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IMDが発表した2022年度の世界デジタル競争力ランキングで、日本は年々ランクを下げ続け、遂に29位になりました。アメリカやシンガポールのようなデジタル先進国との格差は、戦略的な人材育成施策である“リスキリング”を行なってこなかったことが、大きな原因のひとつです。
ところが、日本においてリスキリングは、個人が自主的に取り組む(学び直し)と捉えられることが多く、国や企業の競争力という視点が弱いままとなっています。デジタル分野のリスキリングにおいて先行している欧米では、リスキリングは組織の新たな事業戦略に基づいて、従業員の職業能力の再開発を行うためのものとして定着しています。特に技術的失業と呼ばれるデジタル技術の浸透により業務の自動化が進むことによって、雇用が消失していく事態を防ぎ、成長産業への労働移動を実現するべく、国や自治体、組織が主導してリスキリングを実施しています。
本講座では、日本CHO協会の2023年重点プログラムである『人的資本経営の実践と人的資本の最大化』の中核を担うリスキリングを正しく理解していただくため、組織において従業員を成長事業への労働移動を実現させるための方法論、最新テクノロジー、成功事例等をご紹介します。またChatGPTに代表される生成AIが大きく業務内容を変えていく中での、リスキリングの目的、効果、優先順位等についてもご紹介します。
- プロフィール
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早稲田大学卒業後、富士銀行(現みずほ銀行)入行。渡米後、グローバル研修領域で起業。NPO法人、米フィンテック企業、通信ベンチャー、アクセンチュアを経て、AIスタートアップABEJAのシリコンバレー拠点設立に携わる。
2021年、日本初のリスキリングに特化したジャパン・リスキリング・イニシアチブを設立。2022年SkyHive Technologies日本代表に就任。
著書に「自分のスキルをアップデートし続ける『リスキリング』」(日本能率協会マネジメントセンター)。
【開催日時】
2023年6月13日(火) 13:00~14:30
【参加にあたってのお願い】
本公開講座は、感染症防止策としてZoomを活用したオンラインセミナーです。
ネットワーク環境を整えた上でご参加ください。