日本CHO協会では、「デジタルトランスフォーメーション(以下DX)と人事」を考えるシリーズプログラムを、本年4月より展開してきましたが、今回の公開講座は、その最終回として、データに基づく戦略人事の進め方をテーマに取り上げます。
人事は会社組織の中で最も多くのデータを持っていると言っても、過言ではありません。ビッグデータ、人工知能(AI)等のテクノロジーを駆使し、ますます増え続ける様々なデータを収集・分析し、意思決定に活用し、従業員のパフォーマンスを向上させるだけでなく、データから得られた洞察を使って戦略目標の実現に貢献する。これは遠い未来の、手の届かない絵空事ではありません。そんな人事に変わっていくためには何を、どこから進めたら良いのでしょうか。
会員に限定せず、どなたでも参加出来る公開講座としましたので、データ・ドリブン人事の実現に現在取り組まれている方、これから取り組もうと考えている方、そして関心のある方は、是非ご参加ください(参加費無料)。
【プログラムのご紹介】
《PART1》 データ・ドリブン人事の実行に向けて
~急速なデジタルワークスペースの浸透と人事の役割~
株式会社インストラクショナルデザイン 中原 孝子 氏
《PART2》 データに基づく適所適財から事業戦略を実現する
~ブリヂストンにおけるB-HRXの取り組み~
株式会社ブリヂストン 江上 茂樹 氏
《PART3》 対談 「データ・ドリブンな人事に変わっていくためには?」
【登壇者のご紹介】
株式会社インストラクショナルデザイン 代表取締役 中原 孝子 氏
- メッセージ
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コロナ禍によって、急速に働く環境が変わりましたが、その中で一気に進んだデジタル化によるリモートワーク。今年初めに行われたグローバルリサーチ会社やMicrosoft、IBMなどの調査から見えてきたのは、リモートワーク環境がひとつの選択肢として定着し、それが働く人にとっても企業選択の重要なファクターとして、これまで以上に重視し始められてきた現実です。
Microsoftが今年4月に行った日本も含む調査対象者(グローバル3万人以上)のTrend Indexサーベイによると、実に41%の人々が、近いうちに今働いている会社を辞めようと考えているという衝撃的な結果が出ています(日本も38%)。コロナ禍によって、コミュニケーションやパフォーマンスマネジメントを含む「リモートワーク」への対応が、その数値に大きな影響を与えていることが鮮明になりました。それを受けて、Microsoftは、Microsoft365のTeamsにVivaという機能を追加しています。Vivaを通じて、働く人の“Experience”を重視し、リモートで働こうが、リアルオフィスで働こうが、コラボレーションや生産性向上への支援、そして学習が業務フローの中で進行していく環境づくりを始めたのです(Vivaの中にはアナリティクスツールもあります)。
企業そのもののDXが叫ばれる中、システム導入イコールDXではないことを分かりつつも、企業文化を変えるための動きに、人事は具体的にどのように貢献しているでしょうか?今起こっている、こうしたワーク環境の大きなシフトは、雇用やパフォーマンスマネジメントや学習の仕組みや環境整備に対する人事の役割そのものを大きく変えようとしています。
「データ・ドリブン」になること自体は決して目的ではなく、「1年ひと昔」のスピードで急速に変化する世界の中で、プロアクティブな人事になるための条件として、どんな視点が必要なのか、「データ・ドリブン人事」チームには、どんな能力や役割、そして、マインドセットチェンジが必要なのかを皆様と共有したいと考えております。 - プロフィール
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シティバンク、マイクロソフトにて組織・人材開発マネージャーとして活躍後、 2002 年5月(株)インストラクショナルデザインを設立し、データ・ドリブンなエビデンスに基づくタレントマネジメント戦略の策定と実行に向けた組織開発支援を行っている。インストラクショナルデザインやパフォーマンスコンサルティング分野の日本における第一人者。
ATD(Association Talent Development) 認定コンサルタント(CPTD)。 国際的な講演も多数。著書に『データ・ドリブン人事戦略』(翻訳)『AI革命が人材開発を変える』(翻訳+一部執筆)*いずれもJMAM出版。
株式会社ブリヂストン HRX推進・基盤人事統括部門長 江上 茂樹 氏
- メッセージ
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当社では、2050年に向けたビジョンとして「サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」を定めていますが、これを実現するための人事戦略である「B-HRX(ブリヂストン流の人事トランスフォーメーション)」が昨年スタートしました。
その中で鍵になるのが、「いかに適所適財を実現するか」ということ。そのためには、従来のような勘と経験と社内ネットワークに頼る人財配置から、データに基づく人財配置に変革していくことが不可欠であり、これらのデータが整備されれば、社内人財配置だけでなく、人財育成やキャリアデベロップメント、外部採用にも活用できるとともに、“戦略人事”への転換も図れるのではないかと考えています。
今年からスタートした当社の取り組みのご紹介が、皆様の会社でデータ・ドリブン人事を考えるきっかけになれば幸いです。 - プロフィール
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1995年東京大学経済学部卒業後、三菱自動車工業(株)に入社し、工場人事・労務を担当。2003年三菱ふそうトラック・バス(株)へ移籍。開発管理部長等を経て、2010年人事・総務本部長に就任し、独ダイムラー傘下となった同社人事制度の変革を図った。2015年サトーホールディングス(株)に入社、執行役員最高人財責任者(CHRO)兼北上事業所長等を歴任。
2020年12月(株)ブリヂストンに入社し、2021年9月より現職。
【開催日時】
2021年11月16日(火) 14:00~15:30
【参加にあたってのお願い】
本講座は、感染症防止策としてZoomを活用したオンラインセミナーです。
ネットワーク環境を整えた上でご参加ください。