日本は2022年を「人的資本経営元年」、また2023年を、有価証券報告書における人的資本項目の開示が義務化されたことから、企業が人的資本経営にどのように取り組んでいるのかを示す「開示元年」と位置付けました。そして2024年は、開示された人的資本経営で最も重要な「経営戦略」と「人事戦略」の連動により、企業の成長と将来に向けた変革を具体的に示すことが求められる年でした。しかし、多くの企業がその実現に向けて課題を抱えているのも事実です。
そこで、2025年最初の人事戦略フォーラムは、「人的資本経営のマネジメント」、「人的資本経営ストーリーのつくりかた」の著者で、組織行動論、人的資源管理論、人的資本経営論を専門とされる事業創造大学院大学 教授 一守 靖 氏、そしてサッポロホールディングス株式会社にてグループ人事の責任者として、事業のビジョン実現のため自律的に考えチャレンジしやすいしくみ作りを推進されている内山 夕香 氏をお招きし、アカデミックとビジネスの双方の視点からご講演をいただきます。
またフォーラム後半では、組織力と成果の時系列の把握についてCHROFY(クロフィー)株式会社 滝本 訓夫 氏からご講演をいただいた後、株式会社ナラティブリンク 堺 孝善 氏によるファシリテーションによる登壇者全員によるパネルディスカッションを通じて課題の深堀りを行っていきます。
2025年度の事業計画を策定される中で、人的資本経営における経営戦略と人事戦略の連動性の実現についてご参加された方にヒントを得ていただける機会になればと思っております。経営者の皆様、そしてこの大きな課題に直面する人事の皆様にご参加いただきたいプログラムです。日本CHO協会の会員以外の方でも参加できますので、奮ってお申込ください(参加費無料)。
【プログラムのご紹介】
【PART1】ご講演:人的資本経営を進めるうえで必要な組織風土の作り方
- 事業創造大学院大学 教授 一守 靖 氏
【PART2】ご講演:サッポロホールディングスはいかにチャレンジする集団に変革しているか
~役員と社員の自己変革プロセスとチャレンジについて
- サッポロホールディングス株式会社 グループ執行役員 サッポロビール株式会社 取締役執行役員 内山 夕香 氏
【PART3】ご講演:ITの活用による組織力と成果の時系列把握が成功の鍵となる
- CHROFY(クロフィー)株式会社 代表取締役 滝本 訓夫 氏
【PART3】パネルディスカッション
- [パネリスト]
- 事業創造大学院大学 教授 一守 靖 氏
サッポロホールディングス株式会社 グループ執行役員 サッポロビール株式会社 取締役執行役員 内山 夕香 氏
CHROFY(クロフィー)株式会社 代表取締役 滝本 訓夫 氏
- [ファシリテーション]
- 株式会社ナラティブリンク 代表取締役 堺 孝善 氏
【登壇者のご紹介】
事業創造大学院大学 教授 一守 靖 氏
- プロフィール
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慶應義塾大学博士(商学)。ピープルマネジメントコンサルティング代表。
日系企業で上場準備に携わったのち、大手外資系企業や日系ベンチャー企業で人事部門の責任者を歴任。専門は、組織行動論、人的資源管理論、ならびに人的資本経営論。アカデミックの知見をビジネスの実践に活かす取り組みを行っている。
主な著書:「人的資本経営のマネジメント」(2022)、「人的資本経営ストーリーのつくりかた」(2024)(ともに中央経済社) - メッセージ
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2022年以降、「人的資本経営」という言葉がよく聞かれるようになりました。経済産業省は、これを「人材を“資本”として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方」と定義し、施策を推進しています。
経営戦略と人材戦略を連動させているつもりなのに、思うように成果が出ない― このような悩みを抱えている企業は少なくありません。経営戦略と人材戦略をつなげ、人材戦略を実現する人事施策を導入し、それらの進捗を「見える化」するためのKPIを設定することは欠かせません。しかしながら、その状態ではまだ「人的資本経営ストーリー」は完成しているとは言えません。
人的資本経営によって社員の気持ちを動かして初めて、社員のワーク・エンゲージメントが高まり、企業業績向上につながる態度や行動を引き出し、ひいては組織成果に現れるのです。
社員の気持ちが同じ方向に動くと、それは組織風土の醸成につながります。組織風土とは、「そこに属する人々が当然のように思う思考や行動様式」のことをいいます。
そこで、本フォーラムでは、人的資本経営を実効あるものにするために必要な、組織風土とその醸成方法についてお話しします。
サッポロホールディングス株式会社 グループ執行役員 サッポロビール株式会社 取締役執行役員 内山 夕香 氏
- プロフィール
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1989年サッポロビール入社。ワイン企画、営業、人財育成、お客様センター、営業現場の人事総務部長、人事部長を経る。2010年会社にとってのダイバーシティ元年より女性活躍推進に取り組む。同年社内にキャリア相談室を設置し、自律的キャリアを推進する。 2024年より現職となり、グループ全体の中期経営計画を支える人財戦略の実現、組織文化の変革の旗振りに注力している。 1年前より大学生の就活メンターとして副業もスタート。
- メッセージ
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サッポロホールディングスは、人に、ものに、丁寧に向き合うことを強みとしており、エンゲージメントも高い組織で、もうすぐ150周年を迎えようとしています。現在は、中期経営計画の基本方針「Beyond150 ~事業構造を転換し新たな成長へ~」を実現するために、これまでの強みをベースにしながら、さらなる新しい成長に向けて「ちがいを活かして変化に挑む越境集団」を目指しています。
人事制度には、社員一人一人が担当業務の枠にとらわれることなく会社のビジョン、事業部のビジョン実現のために何をしたらよいかを自律的に考えチャレンジしやすいしくみを取り入れました。またその実現をしやすくするため、社内外副業や社内インターンの制度も導入しています。
また、社長の強い意志で2022年にグループ全社員を対象にDX研修を実施し、枠にとらわれない新たな視点で仕事を進めるための基盤作りをスタートしました。同時並行的に、高度デジタル人財育成も進めており、成果創出が徐々に見えはじめているところです。
現在は、さらにこれらの変化を加速させるためには、より変革を受け入れる組織風土に舵を切ることが必要と、役員層の自己変革への取り組みを始めています。
これらの取り組みについてお話ししたいと思います。
CHROFY(クロフィー)株式会社 代表取締役 滝本 訓夫 氏
- プロフィール
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野村證券、ローランドベルガー、ミロク情報サービスにて常務取締役CFOなどを歴任の後、2017年6月BREEZE株式会社を設立し代表取締役に就任(現任)。
2022年8月にCHROFY株式会社を設立し代表取締役に就任(現任)。WICIジャパン 会員
一般社団法人 ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会 会員
学校法人 国際基督教大学 評議員 - メッセージ
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会社の組織というものは組織図の形で表現され、一人ひとりの人材で構成される実態のあるものです。
しかしながら、人材育成がどのような成果につながっているのか、また組織風土がどのように変化しているかなど、組織の状態がどう変化しているかを数字で掴むことは容易ではありません。
さらに、組織の運営で生じる人事、給与、勤怠などのデータは、各業務プロセスで運用するそれぞれのシステムで管理されている(サイロ化している)ことが多く、そのようなデータの散逸が組織の状態を定量的に把握することを妨げています。
ITを活用することにより、時系列の定量把握が容易になり、それが企業の持続的な成長につながることについてお話しいたします。
株式会社ナラティブリンク 代表取締役 堺 孝善 氏
- プロフィール
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大学卒業後、大手総合人材サービス会社に入社。
その後、外資系コンサルティング会社でビジネスコンサルタントの管理職として従事。
2022年6月に人事・経営コンサルの会社として株式会社ナラティブリンクを設立。
人事BPRや人事システムの導入など、プロセス面の支援からデータに基づいた人事戦略の立案や自律的キャリア支援など人・組織・プロセスに関する支援を得意とする。
一般社団法人HRテクノロジーコンソーシアム 主任研究員
【開催日時】
2025年1月16日(木) 14:00~15:30
【参加にあたってのお願い】
本フォーラムは、Zoomを活用したオンラインセミナーです。
ネットワーク環境を整えた上でご参加ください。