日本経済の停滞と低迷を表す言葉として「失われた30年」という表現をよく耳にしますが、この30年間にすべての企業が停滞・衰退した訳ではなく、また決して、高度成長期以降に生まれた、カリスマ的な経営者に率いられた新興企業だけが成長した訳でもなく、長い歴史と伝統のある大企業の中にも、古いレガシーを壊しながら、大きな質的転換を成し遂げて、したたかに「失われなかった30年」を生き抜いてきた企業があるのです。
今回の人事戦略フォーラムは、こうした企業に共通する特徴から、これからの日本の大企業の成長力を復活させる道を洞察し「会社を作り直す」メッセージをまとめたコーン・フェリー・ジャパンの綱島邦夫氏をお迎えし、経営者と人事部門の皆様に、様々な企業の実践事例に裏付けられた、日本企業の未来を切り拓くためのエールをいただきます。
経営者、CHRO、人事部門の幹部の皆様に是非お勧めしたいプログラムです。日本CHO協会の会員以外の方でも参加できますので、奮ってお申込ください（参加費無料）。
【登壇者のご紹介】
コーン・フェリー・ジャパン シニア・クライアント・パートナー 綱島 邦夫 氏
- メッセージ
-
「失われた30年」という鉛色の雲を吹き飛ばす。そのために日本の大企業は何をしたらよいか、多くの経営者と対話をしてきました。
そして、この30年に繁栄を経験した企業の特徴を10の法則としてまとめ、次の10年への経営のあり方を探ってきました。そこで、多くの日本企業が長く低迷を続けた理由は、20世紀に使命を終えた「戦略経営」を無意識に踏襲し、トップダウンの改革を遂行したことにあるという結論に達しました。
モチベーションとイノベーションは、経営者が決断し命令しても、決して実現しないものです。第一線の社員、とりわけその中心にいるマネジャーに潜在する知恵とノウハウ、パワーを全開にする、そのための仕組みと人材力の開発に愚直に取り組むこと、それが王道であり、奇策はないと考えます。
今、日本で話題になっている「人的資本経営」の考え方は、海外では20年ほど前に始まり、多くの企業が試行錯誤を続けてきました。日本企業の取り組みは相当に遅れてしまいましたが、今、活動を始めればまだ間に合うのではないかと思います。それは米国も中国も“過去20年の成功の復讐”を受け、立ち止まっているように見えるからです。日本企業はもう一度、社員全員経営、社員の個性を生かす経営という、日本企業繁栄の原点に立ち戻ることで復活できると信じています。
今回の人事戦略フォーラムでは私の私見をご報告し、皆様のご意見・ご批判を頂ければと考えています。そして日本企業にイノベーションと成長を復活させる、その機会を皆様と共有できれば幸いです。 - プロフィール
-
慶應義塾大学経済学部、米国ペンシルベニア大学ウォートンスクール（MBA）卒業。野村證券で営業部門と企画部門の業務に従事した後、マッキンゼー・アンド・カンパニー NY 事務所に入社。国内外の様々な企業の戦略策定にかかわるコンサルティングを行う。マッキンゼー卒業後は、ラッセル・レイノルズ・アソシエイツ、CSC （Computer Science Corporation) インデクス日本支社長を歴任し、アーサー・ D ・リトル、ヘイ・グループ（現コーン・フェリー）に顧問として参加。
ウォートンスクールが米国で展開し、米国以外の世界では日本で初めて導入する「女性幹部育成プログラム」のアドバイザーも務める。
『成功の復讐』（日経BP）『社員力革命』『エグゼクティブの悪い癖』『事業を創る人事』（いずれも日本経済新聞出版）『役員になる課長の仕事力』『強靭な組織を創る経営』『ジョブ型と課長の仕事』（いずれも日本能率協会マネジメントセンター）など著書多数。近著は『日本の大企業 成長10の法則』（日本経済新聞出版）。
経営力研究所コンサルタント。ペンシルベニア大学ウォートンスクールExecutive Education Board理事。
【開催日時】
2023年2月27日（月） 14:00～16:00 ＊途中休憩あり
【参加にあたってのお願い】
本フォーラムは、感染防止策としてZoomを活用したオンラインセミナーです。
ネットワーク環境を整えた上でご参加ください。