近年、一大ブームと思われるほど、“メンバーシップ型からジョブ型へ”の掛け声のもと、人事の仕組みを見直す企業が増えています。また、ジョブ型の人事・評価制度へのHOW TOを学ぶセミナーも盛況です。
思い起こせば、かつて間違った認識や目的で「成果主義」が騒がれた頃、一大ブームが去ると、次は成果主義が日本の企業を翻弄し低迷させたという論調に変わりました。今回も、ジョブ型への転換を評価や報酬制度という狭い視点で捉え、ジョブ型雇用の意義や本質を見失うと、かつてと同じ失敗を繰り返してしまうかもしれません。
目に見える仕組みや制度としてのジョブ型と、目に見えない社員の働き方や意識・行動様式としてのジョブ型を掛け合わせて考え実践していくことが大切です。そしてジョブ型への転換は、実は働き方改革やダイバーシティ&インクルージョン、デジタルトランスフォーメーション、ESG経営やSDGsとも表裏一体の取り組みと認識すべきです。
今回のフォーラムはジョブ型の本質と、第一線で顧客・社会と向き合い、部下を束ねリードする、これからの管理職のあり方を考えるプログラムです。ジョブ型への転換を既に実施した企業、そしてこれから実施しようと検討中の企業の皆様に広く聴いて頂きたいため、会員以外の方でも、どなたでも参加できる無料公開セミナー形式としましたので、奮ってご参加ください。
【登壇者のご紹介】
コーン・フェリー・ジャパン株式会社 シニア・クライエント・パートナー 綱島 邦夫 氏
- メッセージ
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失われた30年を終え、これからの繁栄を築く主役は、組織のヒエラルキーの歯車になっている第一線の課長級の社員です。彼ら、彼女らが中間管理職でなく、「中核管理職」になることが重要です。顧客価値の開発、生産性の向上、イノベーションは、第一線の社員の草の根のパワーから生まれます。課長級社員の意識と行動を変え、問題を見つけ、解決し、誰か(通常は顧客)に貢献する「ジョブ型社員」を作れば、日本企業の未来は明るいと思います。
しかしながら、今日の日本では「雇用の形態や人事の制度としてのジョブ型」の議論が中心で、「社員の働き方としてのジョブ型」の議論が進んでいません。多くの社員はヒエラルキーの中で組織の歯車になり、指示されたタスク(作業)をこなすだけの存在になっています。これは今から30年前の、米国の伝統的大企業の状況に酷似しています。働き方改革の議論もタスク(作業)の場所や方法、時間というテーマが中心で、ジョブの本質を探る議論はなかなか見られません。
今回のフォーラムでは、ジョブ型社員の特徴、及びジョブ型社員が生存できる組織風土の特徴をご紹介します。容易なことではありませんが、そのような社員は存在し、そのような風土を持つ企業は存在します。そうした企業の苦闘、尋常ならざる努力の継続を参考に、ジョブ型社員の育成と活用についての方法論を皆様と一緒に考え、人的資本を人的資産に転換し、日本企業の2020年代の繁栄を築く活路を探りたいと思います。
- プロフィール
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慶應義塾大学経済学部、米国ペンシルバニア大学ウォートンスクールMBA。野村証券、マッキンゼー、等を経て、ヘイ・グループ(現コーンフェリー)に参加。
大規模な日本企業、米国、欧州、中国の企業へのコンサルティングを行う。主なテーマは①経営人材候補のアセスメントとコーチング ②戦略を実現するための組織ケイパビリティの開発 ③ジョブ型社員の育成と活用。ウォートンスクールExecutive Education Boardの理事を務める。
【開催日時】
2021年9月27日(月) 14:00~15:30
【参加にあたってのお願い】
本フォーラムは、新型コロナウィルス感染防止策として、Zoomを活用したオンラインWEBセミナーと致しますので、Zoomを利用出来るネットワーク環境からご参加ください。