《ワークショップ》~停滞から再成長へ、戦略人事のあり方~
日本企業を活性化させるHRBPの機能・役割について考えよう!
株式会社インヴィニオ 代表取締役/組織能力開発コンサルタント 土井 哲 氏
このセミナーの案内を見る今回のフォーラムはワークショップスタイルにより、人事部門の重要な役割を果たすための「HRBP」について学ぶ機会としました。現在HRBPとして活躍されている方をはじめ、導入を検討されている人事のご担当者様にもご参加頂き、ファシリテーターの(株)インヴィニオ代表 土井 哲 氏と共に、活発なディスカッションが繰り広げられました。以下がプログラム前半の土井氏の講義要旨です。
日本企業の現状をなんとか打開するための組織パフォーマンスを高める手段として、HRBPの存在が有効であると考え、インヴィニオは組織デザイン・組織能力開発を得意とする米国のAlign Org Solutions社(AOS社)と業務提携しました。
多くの企業において「組織能力の議論を伴わない戦略構築」をする経営企画部門と、「戦略と連携しない施策を実施する人事部門」との間に、大きな溝が存在しています。それを打開するには、戦略実行に必要な「組織能力」を明確にし、「組織デザインの6要素」(業務プロセス・構造とガバナンス・情報と測定基準・人財と報酬・継続的改善・リーダーシップと企業文化)を、戦略が向かう方向に合致させることが必要であり、それこそがHRBPの基本的な役割と考えます。
インヴィニオとしてはHRBPと組織能力を、以下のように考えています。
1)HRBPはビジネスと人事をつなぐプロであり、経営リーダーや事業リーダーの右腕として、戦略を実行するための要素を作り上げる仕事です。
2)組織能力とは、個々人の能力や集合体のことだけではなく、高度に自動化された生産設備や豊富なキャッシュも含まれます。
3)withコロナの時代、多くの日本企業が直面している様々な人事課題を解決する手段として、HRBPがフレームワークを活用し、リーダーの本音を引き出すことはたいへん重要です。
こうした講義に続いて休憩を挟み、5~6人ずつに分かれてのグループディスカッションを行ないました。
セッション1では、
①HRBPにとっての最も重要な「顧客」は誰か?
②HRBPは「顧客」にどのような価値を提供するのか?
そして、その価値をしっかりと届けることにエネルギーを注力するために“やらないこと・やめること”は何か?
について討議しました。
次のセッション2では、実際にmiroというブレインストーミングツールを活用しながら、「活動システムマップ(CASM)」をグループ毎に作成し、参加者が考えるHRBPの役割を討議し共有しました。
2つのセッションともmiroで情報を共有しながら楽しく、活発な議論が展開しました。
◎フォーラムを終えて
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フォーラムの内容は参考になりましたか
(参加者アンケート結果から) -
参加者の意見・感想は・・・
HRBPの役割や能力について明確になった。HRBPは幅広い知識を持ち、尚且つ積極的に経営や事業部と関わっていける人材が求められているのだと分かった。また、ご用意頂いた“miro”を活用した意見出しの方法は、頭が整理しやすく、とても有効だった HRBPへの理解が非常に深まった。弊社にもこの組織機能が必要だと思ったが、なかなかハードルは高い。HRBPは社内のヘッドバンターであり、ハイポテンシャルを知り尽くす、戦略にかかわる、ファシリテーションスキル、コミュニケーションスキルが必要などの文脈が、非常に腑に落ちた 非常に頭に汗をかく!内容だった。自分がやっていた仕事は「日本的HRBP」の側面があり、それをもっと組織的にブラッシュアップしていく必要があることを知る良い機会になった 「活動マップ」の作り方が非常に参考になった。土井さんが言われたとおり、組織能力だけではなく、人財要件の定義等、その他のテーマにも是非応用してみたい。また、ワークショップを通じ、各社の状況などもいろいろ聴くことが出来、HRBPの考え方が各社それぞれ異なることも知り、全てが参考になった グループディスカッションで他社の話が聞け、非常に参考になった HRBPなど「人事の役割」をテーマにしたセミナーは、参加目的も明確になるので、たいへん良い機会だったので、今後も引き続き取り上げてほしい 内容が私には若干難しかった。HRBPをスタートするにあたり、具体的に「何から」始めるのが良いのかが、もう少しイメージできると良かった。また、いろいろな企業のHRBP事例をもっと聴いて参考にしたい (個人的な知識不足の問題かとは思うが)もう少し説明の時間を取ってほしかった。定義や講義の回とディスカッションの回など、今後このテーマをシリーズで分け継続して開催してほしい グループワークの時間が短かく、十分な意見交換が出来なかった。このテーマであれば、もう少しディスカッション時間が長くても良かったと思う -
登壇者の感想は・・・
インヴィニオ 土井 哲 氏
「急速に認知が広まりつつある“HRBP”ですが、導入済みの企業においても、どのような形で事業の発展に貢献していくのか、役割や活動についてはまだまだ模索中であることが見えてきました。”どうあるべきか“をついつい議論したくなりがちですが、人事として「どうしたいのか」を明確にすることが重要であると改めて感じました」