「データ・ドリブン」をキーワードに、明日の人事戦略を考える
インストラクショナルデザイン 中原 孝子 氏
パナリット・ジャパン 小川 高子 氏
パナリット・ジャパン トラン・チー 氏
新型コロナウイルスの出現により、様々な人々のワークスタイルに劇的な変化が生じています。ウイズコロナの環境は、人事戦略を再構築する絶好の機会とポジティブに捉え、㈱インストラクショナルデザイン代表の中原考子氏、パナリット・ジャパン㈱のCEO小川高子氏とCOOトラン・チー氏に、「データ・ドリブン」をキーワードとして人事戦略を再考するための大切なポイントをお話頂きました。
最初に、中原氏から、どのように人事データを活用し、タレントマネジメントを戦略的に実現するのかを解説して頂きました。とかくシステムの導入だけが目的化してしまいがちだが、まず始めに全関係者の解釈を統一するために、タレントマネジメントの「フレームワーク」を決めることが大切。何が組織の課題なのかを明確にし、その課題を解決するために必要なデータは何か?既に保有しているデータは何か?ここを整理することが重要であり、そしてデータの組み合わせから得られた洞察に基づき、解決策や対策を考えることの必要性を力説されました。
小川氏とトラン氏は「科学された人事が目指すHRの未来」をテーマに、「業務の効率化」にとどまることなく「意志決定の効率化」のため、ピープルアナリティクス活用の必要性を強調。日本において未だピープルアナリスティックがメインストリームでない理由として、「データ化」「集約」「理解促進」「現場への伝達」の4つのプロセスのどこかでつまずいているからだと指摘されました。特にデータをクレンジングし格納する「集約」時の工程における見積の甘さと、分析結果の共有が経営層で留まり、現場のマネージャーに届いていないことの2点が、最も重要な課題であり、成果を出すためにはエンドユーザーへの伝達こそがキーであると、具体的な企業事例を交え説明されました。
その後のグループディスカッションにはパネリスト3氏も一緒に参加し、各社の課題を少人数で情報交換・意見交換し、改めてデータ・ドリブンを活用した人事戦略の必要性を知ることが出来ました。
-
フォーラムの内容は参考になりましたか
(参加者アンケート結果から) -
参加者の意見・感想は・・・
これからの人事にはデータ活用が大事、ということは理解していたが、体系的に話を聞け、とても勉強になった。特に「今、どのようなデータを保有しているのかを点検する」という事は、まさしくそのとおりであり、新たなデータを収集する事ばかりに意識が向かい、既存のリソースやデータを活用するという視点が欠けていたと改めて気が付いた 収集したデータを本当に活かすには、経営層へのレビューよりも、現場の「マネージャー」に行き届くような体制にしないといけないのだなと痛感した。同時に、社員全員がデータを活用し経営判断を支えるような雰囲気を作っていく必要があるとも感じた 当社はまだまだこうした取り組みが出来ておらず、どうしたら第一歩が踏み出せるかのヒントを得られた HRテックの活用については、正直どこまで世の中が進んでいるのかが、よくわからなかったし、とにかくシステムの一本化が大変そうだと思っていたが、パナリット社の説明で、意外と難易度が下がっていることを感じた。本日得た情報を持ち帰り、どこから取り組むべきか、社内で議論してみたい これまで効率化のために使われていたデータを、人事戦略に活用するためのステップが見えた気がする。大変参考になった 素晴らしいセミナーだった。オンライン開催ということで少し不安だったが、特に問題なく最後まで参加出来た。グループディスカッションの時間が、もう少しあると良かった グループディスカッションに登壇者も入ってもらえたので、直接話が聞けて参考になった。せっかくの機会なので、ディスカッションの時間は、もう少し長くても良かった -
登壇者の感想は・・・
インストラクショナルデザイン 中原 孝子 氏
「データ・ドリブン人事戦略というと、何か大きな挑戦であるように聞こえてしまうかもしれませんが、実は、人事部門は、もともと情報(データ)の宝庫。今持っているデータを戦略的な軸をもったフレームを使って整理することから、データ・ドリブン人事への第一歩を踏み出すことができると思っていただければ幸いです」パナリット・ジャパン 小川 高子 氏
「グループディスカッションでの活発な意見交換から、 “データ・ドリブンな人事”について、業界や職務を超えて、人事部門の皆様が既に高い関心や課題感を持たれているのだと実感しました。本日の講演が、人事戦略の企画・実行を行う上で、データとどのように向き合うべきかを考えるきっかけになったなら幸いです」パナリット・ジャパン トラン・チー 氏
「グループディスカッションでは、人材配置~発掘~評価などの課題に対して、どのようなデータを取得・活用して、意思決定の高度化を図ろうとしているか、様々な角度から意見交換が行われました。次回は、実際に取り組んでみた結果や、学びを意見交換できるような場も設定できることを、楽しみにしています」