ホームセミナーセミナーレポート人事戦略フォーラム 2019年4月12日開催

セミナーレポート

人事戦略フォーラム

データとテクノロジーに基づく次世代型の人事戦略~HRTechにより実現可能となる経営人事・戦略人事~

慶應義塾大学大学院 岩本 隆 氏
株式会社日立製作所 高本 真樹 氏
アクセンチュア株式会社 武井 章敏 氏
サトー・ホールディングス株式会社 江上 茂樹 氏

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ビッグデータやAI、RPAなど、ITを駆使したHR Techが急速に進歩し、人事の現場に普及してきました。本フォーラムでは、この分野の第一人者による「データを駆使したHRマネジメントの最新動向」を解説。さらに、HRテックを活用する先進3社の取り組み事例紹介と登壇者によるトークセッションで、未来型人事業務の可能性を探りました。

慶應義塾大学大学院の特任教授である岩本隆氏は、採用やタレントマネジメントなどの分野で、次々に登場するアプリや研究事例の最前線を紹介。ビッグデータを活かしたHRマネジメントのポイントとして、①データ整備 ②分析手法 ③アウトプット を指摘し、HR Techの目指すものが、業務の効率化からパフォーマンス最大化などにシフトしている現状を解説しました。

日立製作所の高本真樹氏は「社員の意識」と「行動データ」を掛け合わせて分析することにより、「イキイキ働き具合」「ハイパフォーマー要因」などを把握する事例を紹介。一人ひとりの課題抽出と改善策など、精度の高い人事施策の導入や職場環境の整備につながるなど、HRTechがもたらした利点の数々を紹介しました。

生産性向上と働き方進化のため、積極的に最新テクノロジーを導入しているアクセンチュアでは、AIチャットボットやRPAの導入によって作業負荷を大幅に軽減させています。武井章敏氏は、次のステップとして「成長を支援するためのテクノロジーとしてAIを活用」することを挙げ、社員に対する個別最適な支援につなげたいとしています。

サトーホールディングでは現在、業務の改善策などを提案する「3行提報」を全社員が提出しています。江上茂樹氏は、過去40年以上にわたって蓄積されたこのユニークなビッグデータが、人財戦略に活用できる可能性があるとし、試行錯誤しながら分析を進めている状況と、科学的アプローチがもたらす新たな人事業務への期待感を語りました。

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    三社三様のデータ分析と利用方法について、とても興味深く聞かせて頂いた。当社で導入中のシステムも、まさにポジションマネジメントを主としているため、トークセッションも大変興味深かった データ活用の本質を考えさせられる良いお話を拝聴できた。日立髙本様のデータ活用までの検討プロセスの具体的なお話は、モデルケースとして参考にさせて頂きたい 当社ではHRに関する取り組みはどちらかというと遅れている。その中で今現在、タレントマネジメントの高度化に向けて試行中であり、課題は山積しているが、HR改革の留意点など、実際の経験に基づく今回のお話は非常に参考になった 今後、データを利用した人材配置が重要になってくるため、トレンドを知れたことは良かった HR Techに関するセミナーに初めて参加したが、人事領域のデータ活用に、かなり可能性があることを知ることができた。また、具体的な取り組み(先進例から、まずははじめる)も含め、特に生産性向上の分野でのお話が大変参考になった ITに関する技術や人材を持たない当社のような企業体は、外部のテクノロジーに頼らざるを得ないと感じるが、一方で多大な投資を伴うことで一歩踏み出すに至っていない。そういった意味でサトーHDの取り組みは参考になった
  • 登壇者の感想は・・・

    慶應義塾大学大学院 岩本 隆 氏

    「テクノロジーは「不可逆」で「伝搬スピードが速い」という特性がありますが、HRテクノロジーを積極的に活用している登壇企業各社の事例から、正にその特性通りに進捗していると感じました。 また、データは蓄積すればするほど優位性が高まる特性があり、早く取り組むことが競争優位性につながることも再認識しました」

    株式会社日立製作所 高本 真樹 氏

    「HR-Techの黎明期であるこの時期に、熱心な聴講者が多数集まり、また質疑も活発で自分自身も大変勉強になりました。弊社の人と組織の可視化サーベイは、総ての日本企業を元気にしたいと考え開発したものですので、これからも広く社外の皆様との協創で、更にブラッシアップを図って行きたいと改めて想いを強く致しました」

    アクセンチュア株式会社 武井 章敏 氏

    「HR Techという言葉が叫ばれ始め久しいですが、今や採用から配置、評価、エンゲージメントに至るまで拡がり、技術の進歩も目覚ましいものがあります。少子高齢化で労働人口が減少し続ける中、テクノロジーの活用は「避けて通れないもの」から「必要不可欠なもの」へと変貌しました。 Automationによるデータインプット作業の効率化など、まずは目の前の小さなことから始めてみることが大切だと思います。みなさんと一緒に未来のHRの在り方を創造していけたら幸いです」

    サトー・ホールディングス株式会社 江上 茂樹 氏

    「私自身が多くを学ばせて頂きました。当日ご一緒した当社以外の2社は、この分野のフロントランナーでもあり、「当社はまだまだだな」と自社の遅れている状況を改めて感じた一方で、当社のような「一歩踏み出す」重要さを、参加者の皆さんにも感じて頂けたとしたら嬉しい限りです。一緒に一歩を踏み出しましょう」