働き方改革が目指すもの〜各社各様の取り組み方法とその成果〜
株式会社Leonessa 秋山 ゆかり 氏
住友商事株式会社 降幡 至功 氏
味の素株式会社 隈部 淳二 氏
株式会社ジャパネットホールディングス 田中 久美 氏
「働き方改革」がニュースにならない日はありません。政府が旗を振り、企業は重要な経営戦略・人事戦略に位置付けています。とはいえ、グローバル展開や全国展開する企業ほどカバーするエリアが多い上、業種・職種によって課題や重点テーマも異なり、取り組み方は各社各様です。
本フォーラムでは、経営コンサルタント秋山ゆかり氏の講演に加え、業態も規模も異なる3社の事例紹介を通じて、最適解へのヒントを探りました。
Leonessaの秋山ゆかり氏は、成長の源泉であるイノベーションを生み出すためには「現場に2~3割の余裕が必要」と訴え、AIなどの進歩を踏まえて企業の成長戦略を抜本的に変えない限り、働き方改革の成果は出ない、と警鐘を鳴らしました。
住友商事の降幡至功氏は、やる時はやる・休む時は休む「短期のメリハリ」と、キャリアステージ・ライフステージに応じた「中長期のメリハリ」を実現するために打ち出した人事施策の数々を紹介し、働き方「改革」から、働き方「進化」を目指す意気込みを語りました。
「働きがいと生きがいの両立」を図る、味の素流働き方改革を推し進める隅部淳二氏は、制度・環境の整備や意識改革、風土醸成により、業務効率化と労働時間削減の成果があったとし、ここで生まれた時間の有効活用でイノベーションの萌芽につなげたいとしています。
メディアミックス戦略で独自の地位を築いた、ジャパネットホールディングスの田中久美氏は、生産性改善策として「人がやらない仕事を決める」ことを取り上げ、勤怠ルールの改善やRPAの活用で労働時間が減少し、売上高やお客様満足度も向上したと、取り組みの成果を強調しました。
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参加者の意見・感想は・・・
人事部門だけでなく、トップ及び他部門を巻き込んだ取り組みが大事であると改めて感じた。覚悟をもってやり抜くこと、持続させる力が重要で、また、トップ自らの行動、姿勢が大事であると感じた 各社とも働き方改革の進め方や重点項目に特徴があり、いずれも大変学びになった(特に、住友商事の「スーパーフレックス」、味の素の「どこでもオフィス」の運用柔軟化、ジャパネットのRPAの進んだことによる一般職からのコース転換) 各社の具体的施策がわかり、参考になった。味の素の施策をかなり詳しく聞けたが、働き方改革を大きな組織でやるためには、かなり広範囲で人を巻き込む必要があると感じた 三社三様で学びになる事例だった。味の素の筋の通った取り組み、ジャパネットのとにかく徹底して真剣にやろうという取り組みが特に印象的だった 各社の取り組みは大変参考になった。人事が果たすべき「生産性向上」とは何を解決することか?どうすることで進むのか等、時間があればトークセッションでもう少し突っ込んで聞けたらもっと良かったと思う。 結局のところ、経営への危機感醸成がスタートと感じた -
登壇者の感想は・・・
株式会社Leonessa 秋山 ゆかり 氏
「先進的な3社の事例から、まずはやってみて、自社の文化に合うスタイルに変えることが、働きやすい企業を作るのだと改めて感じました。 社員1人1人のニーズに合わせたキャリア作りを支援することで、近い将来には、世界の何処にいてもキャリアを継続できるような働き方が出来るようになるのではという期待が高まりました」住友商事株式会社 降幡 至功 氏
「テクノロジ-の急速な発達により、全産業のボ-ダレス化・複合化が進み、産業構造が大きく変化するビジネス環境では、企業の成長戦略としての働き方改革が益々重要になってくると考えています。 そんな中で、秋山様、味の素様、ジャパネット様のお話は非常に示唆に富んだ内容で、大変勉強になりました。有難うございました」味の素株式会社 隈部 淳二 氏
「こうしたセミナーは基調講演と事例紹介(含む質疑)で終わるケースが通常多い中、登壇者全員によるトークセッションや質疑応答に多くの時間をかけたので、各社の考え・施策の意味や課題等について深堀りが出来たと思います。 今回のフォーラムが参加した皆様にとって、少しでもご参考になれば幸いです。貴重な機会を頂き、本当にありがとうございました」株式会社ジャパネットホールディングス 田中 久美 氏
「秋山先生のお話や住友商事様・味の素様の取り組みをお伺いでき、自社の働き方改革のレベル感を把握し、新たな施策・視点を取り入れるための貴重な機会となりました。 また講演終了後も名刺交換させて頂いた方々と、各社様が抱える課題について率直に意見交換でき、良い機会となりました。ありがとうございました」