これまで日本企業に多かったメンバーシップ型雇用システムは、先輩と同じ職務を行うことで、働きながら必要なスキルの転移・伝承がなされるOJTが中心となっていました。しかしながら、OJTで身に付くのは既存の仕事に用いるスキルであり、現状の組織の中にない、新しい仕事のための能力やスキルはOJTでは開発できません。
経営環境が急速に変化する時代には、今の仕事や職場からは得られない、新しいスキルを学ぶ「リスキリング」が必須となります。自ら学び、変わり続ける力をどう身に付けていくか、今回の人事実践セミナーはこの「リスキリング」をテーマに取り上げ、三菱総研の奥村隆一氏と共に、企業は/社員はそれぞれ何をすべきか、今こそ必要な「リスキリング」の本質を考えてみたいと思います。
人事・人材開発の責任者クラスの方々にお薦めしたいセミナーです。当協会の会員以外の方も参加できる無料公開セミナーとしましたので、奮ってご参加ください。
【登壇者のご紹介】
株式会社三菱総合研究所 主席研究員 奥村 隆一 氏
- メッセージ
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企業の人材育成において、近年バズワード化している「リスキリング」。大企業においては、2023年3月期決算以降に人的資本の情報開示義務が課されたことなどもあり、経営課題の解決にリスキリングが重要との認識が急速に高まっています。とはいえ、「実際にはどのように取り組んだらよいかわからずに考えあぐねている」「本格的な導入に向けてまずは他社の動向を伺っている」といった企業も見られます。
一方、リスキリング施策を導入・推進してはいるものの、「施策や制度の利用が一部の社員にとどまる」「表層的な取り組みに終始し、施策導入の効果が認められない」など、必ずしも実態が伴っていないケースも少なくないのではないでしょうか。
そのあたりの原因はいくつか考えられます。例えば「制度を設計・運用する立場の方が捉えているリスキリングという概念が適切でない」あるいは「リスキリングに関する理解が十分でない」「経営陣・人事部・事業部門などの現場の間で認識がずれている」「人材育成体系のあり方そのものに問題がある」などです。
今回のセミナーは、シンクタンクの研究員として、政府・自治体向けの政策提言や企業向けの施策提言、リスキリングを効果的に行うための学習支援ツールの開発を手掛ける立場の私が、日本の企業にリスキリングが求められている歴史的背景、導入・実施上の課題とその原因、リスキリング施策を推進する際のポイントについて、皆様と一緒に考えてまいります。 - プロフィール
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事業構想大学院大学特任教授。東京工業大学情報理工学院博士課程修了。博士(工学)。専門は人的資本論、成人学習理論、労働政策、少子高齢・人口減少問題。
著書に『ジャパン・リスク』(共著、金融財政事情研究会)、『仕事が速い人は図で考える』(KADOKAWA)、『考えをまとめる・伝える図解の技術』(日本経済新聞出版社)、『図解 人口減少経済 早わかり』(中経出版)など。
【開催日時】
2024年2月20日(火) 14:00~15:30
【参加にあたってのお願い】
本セミナーは、Zoomを活用したオンラインセミナーです。
ネットワーク環境を整えた上で、ご参加ください。