当協会では毎月、様々な企業の人事部門責任者クラスの方々にヒヤリングやインタビューを行なっていますが、昨今「人的資本経営」の動きが活発化するとともに、ダイバーシティ推進への関心・注目度が一段と高まっていることを実感しています。
人材版伊藤レポート2.0で「今後の人材戦略に求められる5つの共通要素」のひとつに取り上げられた『知・経験のダイバーシティ&インクルージョンのための取り組み』とは、
●中長期的な企業価値向上のためには、非連続的なイノベーションを生み出すことが重要であり、その原動力となるのは、多様な個人の掛け合わせである。このため専門性や経験、感性、価値観といった知と経験のダイバーシティを積極的に取り込むことが必要となる。
●このように、同質性の高いチームから多様なチームへと変わるに当たっては、社内外の協働の在り方を見直す必要がある。
●知と経験のダイバーシティ&インクルージョンは、多様な属性を持つ人材のみならず、社員全員に関わるテーマである。時代の変化に伴って、ダイバーシティの意味合いも変化する中で、人によって与える機会に制限をかけないことが重要となる。
と提言されています。
今回のダイバーシティ研究会は、数多くの日系/外資系企業のダイバーシティ推進を支援されてきた、コーン・フェリー・ジャパンの川島由妃氏をお迎えし、今後のDE&I推進のキーワードとなる「インクルーシブ・リーダーシップ」を中心に、企業変革とダイバーシティ推進に関する最新アプローチをお話していただきます。
「人的資本経営」にご関心をお持ちの方、「ダイバーシティ推進」を担う責任者・担当者クラスの方、双方に是非ともお勧めしたいプログラムです。日本CHO協会の会員以外の方でも参加出来るプログラムとしましたので、奮ってご参加ください(参加費無料)。
【登壇者のご紹介】
コーン・フェリー・ジャパン株式会社 シニア・クライアント・パートナー/DE&I部門責任者 川島 由妃 氏
- メッセージ
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DE&Iは、日本ではジェンダー課題解決、すなわち女性活用の文脈に端を発しています。多くの大企業が凡そ2017年前後からダイバーシティ推進室を設置し、DE&Iへの取り組み姿勢を打ち出しました。しかしながら当初の実態は推進室任せで、トップマネジメントの関与はほとんどなく、取り組み内容も女性が働きやすい環境を整えるための法制度の整備が中心でした。それが年ととも変化し、特にこの1年は企業の皆様から寄せられる課題がずいぶん様変わりし、DE&Iに関する意識の大きな変化が見られます。
具体的には、DE&Iはジェンダー課題ではなく、まさに経営課題であり、個々の多様性を最大限にインクルージョン・発揮・活用させることが、イノベーションや組織のサステナブルな成長に欠かせないという考え方です。そこには、かつてのようにDE&I推進室依存型ではなく、CEOがオーナーとなって、CHROをはじめとしたCXOのサポートのもとで、事業リーダーを巻き込んでの「インクルーシブ・リーダーシップ」の開発、それをサポートするタレントマネジメントプロセスの再整備、インクルージョンをベースとした組織文化の変革まで取り組もうとする積極的な動きが含まれます。
今回のダイバーシティ研究会では、こうした課題の中核に据えられる概念「インクルーシブ・リーダーシップ」というものに焦点を当てながら、最新のDE&I推進アプローチについてご紹介いたします。
- プロフィール
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政府系銀行の人事を経て、その後一貫して日米での人事・組織系のコンサルティング会社にて、多くの日系/外資系企業の人・組織の課題解決に従事。
組織戦略に見合う人材活用への関心を皮切りに、米国の大学院で組織心理学の学位を取得した後は、経営リーダーの選抜と育成を専門とし、エグゼクティブコーチングや、インクルージョンをベースとした経営リーダーやトップチームの育成と強化のコンサルティングに多数従事。
著書に「Future of Work」(日経出版2022)。
【開催日時】
2023年10月24日(火) 14:00~16:00 *途中休憩あり
【参加にあたってのお願い】
本研究会は、Zoomを活用したオンラインセミナーです。ネットワーク環境を整えた上で、ご参加ください。