大企業に於けるダイバーシティへの取り組みは、両立支援・女性活躍推進のための諸制度・規程等のインフラ整備、女性だけでないマイノリティ(障害者・LGBT・シニア等)の働く環境の整備を経て、現在はダイバーシティ&インクルージョンによる組織風土改革・ビジネスモデル変革・事業創造・商品サービス開発という、云わば”成果を出すフェイズ”に入ってきた企業が少しずつ増えてきました。
しかしながら、そこで根強い障壁となっているのが、組織風土やマネジメントスタイルの問題ではないでしょうか。
今回の研究会は、こうしたダイバーシティ&インクルージョンの更なる浸透・定着に欠かせない3つのテーマを取り上げ、具体的なアクションの進め方を実践的に考える機会としました。
3つのテーマを3名の専門家からそれぞれお話し頂いた後、参加者の皆様が最も関心の高い、または自社にとって一番必要だと考えるテーマを各自選んで頂き、同じ問題意識を持った方同士で、テーマ別のグループディスカッションを行ないます。
ダイバーシティ&インクルージョンの推進や浸透に関心のある方に是非参加して頂きたいプログラムです。奮ってご参加ください(参加費無料)。
【プログラムのご紹介】
《PART1》 3つのテーマに関する特別講演
①「アンコンシャスバイアスを知る ~ひとり、ひとりがイキイキと活躍するために~」
アンコンシャスバイアス研究所 守屋 智敬 氏
②「ダイバーシティ&インクルージョンを推進する心理的安全性」
KPMGコンサルティング 青島 未佳 氏
③「ダイバーシティを組織力に変えるインクルーシブ・リーダーシップ」
立命館アジア太平洋大学 篠原 欣貴 氏
※各氏の講演時間は、約20分の予定です。
《PART2》 テーマ別グループディスカッション
※皆様が各自希望するテーマ別に分かれ、グループごとに情報交換を行なう時間です。
※各テーマの担当講師も参加します。
【登壇者のご紹介】
一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所 代表理事
株式会社モリヤコンサルティング 代表取締役 守屋 智敬 氏
- メッセージ
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『アンコンシャスバイアス』
私たちは誰もがみな、無意識の偏ったモノの見方を持っています。アンコンシャスバイアスは誰にでもあります。
完全になくすことはできないものの、意識をしてみると、一歩踏み出せたり、一歩踏みとどまれたり、大切なものに気付いたり、世界が違って見えるかもしれません。
ここ数年、多くの企業でアンコンシャスバイアス研修の導入が進んでいます。その理由は、ときにD&I推進であり、ときに部下育成であり、ときにキャリアデザインのためであったり、イノベーション実現のための組織づくりであったりと、様々です。その中でも企業で人や組織に影響を持つ役員層や管理職をはじめとするリーダーに対して、アンコンシャスバイアスを「知る」「気づく」「対処する」をお届けする機会が増えてきました。
今回のセッションでは短時間でのお話となるため、「アンコンシャスバイアスの何が問題となり、どんな影響があるのか?」を中心に、お伝えします。
「アンコンシャスバイアスを知って良かった!」に光をあて、一人ひとりがイキイキと活躍する組織づくりのヒントになれば幸いです。 - プロフィール
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1970年大阪府生まれ。神戸大学大学院修士課程修了後、都市計画事務所を経て、人材系コンサルティング会社にて、数多くのリーダーシップ研修に携わる。2013年、復興庁「新しい東北」先導モデル事業として、東日本大震災後の被災地東北における研修プログラムの開発を支援。現在も「いわて復興ツーリズム推進協議会」のメンバーとして、復興地東北ツアーを継続提供している。
2015年(株)モリヤコンサルティングを設立し、管理職や経営層を中心に、8万人以上のリーダー育成に携わる。
2018年、ひとりひとりがイキイキする社会をめざし、(社)アンコンシャスバイアス研究所を設立し代表理事に就任。アンコンシャスバイアス研修の受講者はこれまでに5万人を超える。
著書に『「アンコンシャス・バイアス」マネジメント』『シンプルだけれど重要なリーダーの仕事』(かんき出版)、『一流の仕事の「任せ方」全技術』(明日香出版社)、『導く力』(KADOKAWA)、『あなたのチームがうまくいかないのは「無意識」の思いこみのせいです』(大和書房)等。取材執筆多数。
KPMGコンサルティング株式会社 ディレクター
一般社団法人チーム力開発研究所 理事
九州大学 人間環境学研究院 学術研究員 青島 未佳 氏
- メッセージ
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近年、「ダイバーシティ&インクルージョン」という言葉も「女性活躍」や「異文化理解」という性別や国籍といった表面上の違いを超えて、「人はそれぞれ個別で多様であり、その多様性をお互いに認め・尊重すること」という、ディープダイバーシティが浸透しつつあります。
では、どのようにすれば「人にはそれぞれ個性があり多様である」ことを互いに認め、創造性や生産性を高める土壌を創ることができるのでしょうか。
そのためのひとつが「心理的安全性」であると考えています。今回の講演では、この「心理的安全性」という言葉や概念だけでなく、「心理的安全性」という“組織の中である考えや感情について、気兼ねなく発言できる状態”をつくるためのポイントや方法を、お伝えします。実際には、この「心理的安全性」という組織風土やチームのメンタルモデルといえる状態を作っていくことは、一朝一夕に出来るものではありませんが、本講演が少しでも皆様の取り組みの一助となれば幸いです。 - プロフィール
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慶應義塾大学環境情報学部卒業。早稲田大学社会科学研究科修士課程修了。日本電信電話入社後、アクセンチュア(株)、デロイト トーマツ コンサルティング(株)、九州大学TLO・障害者福祉施設の立上げ等を経て、2020年3月より現職。組織風土改革、人事制度改革、グローバル人事戦略など、組織・人事領域全般のマネジメントコンサルティングを手掛ける。
また、九州大学ではチームワーク研究や組織づくりを主軸とした共同研究、コンサルティング、研修・講演などを実施している。
立命館アジア太平洋大学 国際経営学部 准教授
インクルーシブ・リーダーシップセンター 副センター長 篠原 欣貴 氏
- メッセージ
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多くの日本の企業がダイバーシティの促進に力を注いでおり、専門の部署を設けてダイバーシティを推進しています。日本経済団体連合会の会員企業への調査によれば、多くの企業が社会的公平性へ貢献するだけでなく、人材獲得競争力やイノベーションの源泉といった、経営に直結したメリットを期待して、ダイバーシティを推進しているという結果が出ています。
一方、「経営に成果が現れるには時間がかかりすぎる」「社員にダイバーシティ推進の重要性を浸透させるのが難しい」といった意見も見受けられます。さらに、企業の方々と話をすると、「ダイバーシティを推進しているが、その効果が良く分からないし、実感がない」という声も聞かれます。
今回の講演ではこうした状況を打開するためのアイディアとして、インクルーシブ・リーダーシップについてご説明します。インクルーシブ・リーダーシップとは、多様な価値観を多様な個性・能力・資質ととらえ、コミュニティーの一員として受け入れ、その多様性を組織の力に変換することができる能力と定義されます。
今回はこのインクルーシブ・リーダーシップを発揮するためにはどうすれば良いのかを説明させて頂きます。 - プロフィール
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2016年慶應義塾大学商学研究科博士課程単位取得満期退学後、立命館アジア太平洋大学国際経営学部に助教として就任し、同年博士号を習得。2019年より同大学准教授。インクルーシブ・リーダーシップセンターを設立後、副センター長に就任。
専門はサステナビリティ、企業の社会的責任、ビジネスエシックスのほか、近年はインクルーシブ・リーダーシップの研究に従事している。
【開催日時】
2021年4月27日(火) 15:00~17:30 ※途中休憩あり
【参加にあたってのお願い】
本研究会は、新型コロナウイルス感染防止策として、Zoomを活用したオンラインWEBセミナーと致しますので、Zoomを利用出来るネットワーク環境からご参加ください。