ホームセミナーセミナーレポート人事実践セミナ 2023年8月31日

セミナーレポート

人事実践セミナー

「プラチナキャリア・アワード」受賞企業に学ぶ
人生100年時代の“プラチナキャリア”づくりへの取り組み

デジタルハリウッド大学 教授・学長補佐 佐藤 昌宏 氏
株式会社三菱総合研究所 未来共創本部 主席研究員 高橋 寿夫 氏
NECネッツエスアイ株式会社 人事部長 加藤 徳満 氏
株式会社オカムラ 常務執行役員 コーポレート担当 佐藤 喜一 氏
ソフトバンク株式会社 コーポレート統括 人事本部 人材開発部 部長 岩月 優 氏
株式会社パソナ 執行役員 キャリアアセット事業本部 東日本営業本部長 堀内 功

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「プラチナキャリア(及びプラチナキャリア・アワード)」とは、(株)三菱総合研究所未来共創イニシアティブ(ICF)が提唱する「人生100年時代、ポストコロナ時代に、これからの社会人が目指すべきキャリア像」であり、①長期的視点 ②自律的な学び ③社会課題解決 の3つの視点が特徴です。
本セミナーは、プラチナキャリア・アワードの審査委員を務められたデジタルハリウッド大学の佐藤昌宏教授の「特別講演」に続き、プラチナキャリア・アワードの紹介、本年のアワード受賞企業3社の皆様と佐藤教授による「パネルディスカッション」という3部構成にて、人生100年時代のプラチナキャリアと企業の役割を掘り下げました。

【PART1】 特別講演『EdTechが変える教育の未来 〜公教育改革から学ぶプラチナキャリア〜』
デジタルハリウッド大学 佐藤 昌宏 氏

EdTechとは、デジタルテクノロジーを活用した教育のイノベーションであり、先端技術のみならず汎用技術も活用し、教育のビフォーアフターを創出することと定義しています。2017年には、政府が「Society5.0」の実現を目指し「未来投資戦略2018」が取りまとめられるなど、EdTechは国策となりました。経済産業省でも教育改革に乗り出し、「未来の教室」の構築に向け、①学びのSTEAM化 ②学びの自律化・個別最適化 ③新しい学習基盤づくり を3つの柱として提言。また文部科学省によるGIGAスクール構想実現のためのAIガイドラインも整備されました。テクノロジーの進化は、まだまだ先だと思われていた「人間にしかできない領域」に既に浸出しており、今後はテクノロジーと人間とが上手く共存していくことが求められてきます。

EdTech的視点から見た教育改革の本質的な意味は、前述の「未来の教室」における3つの柱に基づき、GIGAスクール構想の基盤による教育データを活用し、アクティブラーナーを育成すること、即ち、深い学びが出来る自律した学習者を育成することです。アクティブラーナーにとって重要なポイントは、以下の3点です。
① 動機付け: 自己効力感・自律的モチベーション
② 学習方略: 認知過程・情報処理過程
③ メタ認知: 自己内省・リフレクション

テクノロジーの活用は、アクティブラーナー育成について大きな可能性があります。「自由と責任」が発生すると同時に、出来る人とそうでない人の格差が問題となることも、また事実です。「習っていないので分かりません」は、私がエドテックを通して無くしたい言葉です。習っていないのであれば、自ら検索できるツールがあるのです。そしてAIが出した答えであっても、本当にその情報は正しいのか、自らが責任を持たなければなりません。最後の判断は、やはり“人”なのです。

人間領域の拡張や、自由と責任を学ぶこれからの子供達に、今の企業が古臭く見えないためにも、受け入れる企業側が、プラチナキャリアが提唱する「自律的な学び」が出来る環境を整えているかどうかは非常に重要なのではないでしょうか。自律的な学習者(社会人)に必要な姿は、「信じて・認めて・任せる」という姿勢と、「任せて、任さずの極意・過干渉と過放任」のバランスを取っていくことです。企業が管理しすぎても、任せすぎても成り立ちません。自律した学習者にとって、果たして今の日本企業は魅力的なのでしょうか。そのような視点でプラチナキャリアを考えてみたいと思います。

【PART2】『プラチナキャリアとは ~企業が持続的に成長するエンジンとなる人材~』
三菱総合研究所 高橋 寿夫 氏

生産年齢人口は減少し続け、人材を容易に確保することが難しくなっています。また、60歳以上の高齢者就業率は上昇していますが、その中で60歳定年としている企業は年々減少するものの、未だ80%を超えているのが現状です。当社で実施した調査では「自律的に行動している」働き手は、50%強にとどまる結果となり、またキャリア形成についての考え方に関する質問では「仕事を確実にこなしていくことで、自然に築き上げられる」と回答した若年層が多いことも明らかになりました。一方で「新たなアイデアを考えたい」働き手は、全体の40%弱にとどまっています。

当社が提唱するプラチナキャリアとは、以下の3つの視点を特徴とするキャリアです。
① 長期的視点: 年齢を問わず、自律的に活躍できる
② 自律的な学び: 自律的に学び、実戦経験を通じて、スキルを磨く
③ 社会課題解決: 社会に関心を持ち、ビジネスを通じて課題解決を目指す

これは、人生100年時代・ポストコロナ時代において、これからの社会人が目指すべきキャリア像です。プラチナキャリア・アワードは、プラチナキャリア実践企業となることで、働き手の立場に立った人材育成企業と認識され、有益な人材確保に繋がること、更には社会課題に関心の高い人材が多く、イノベーションを起こせる企業と認識されること等から、持続的成長に資する企業として企業価値向上に繋がることをねらいに設立されました。

今年(第5回)のプラチナキャリア・アワードの重点評価テーマは「社員一人ひとりのライフスタイル、キャリア形成を考慮したリスキリング環境を会社として整備しているか」としました。社会人のリスキリングが注目されている一方で、20代でも何らかの自主的な「学び」を実践している人は42%にとどまり、50代以上になると19%と低くなっているのが現状です。キャリアを高めようと考えず、学びたい分野もわからない人が相当数いることを考えると、企業としてモチベーションを高め、活躍の場を提供することが、まだまだ出来ていないのではないかと考えます。

そのような中、今回のアワードは、最優秀賞にNECネッツエスアイ、優秀賞にNTTドコモ、オカムラ、ソフトバンク、SOMPOホールディングス、日清食品ホールディングス、丸井グループが選ばれました。評価ポイントとしては、以下の4点です。
① 制度があるだけでなく、社員が実践しているか
② リスキリングの方向性に、DXをあげているか
③ モチベーションを高め、やる気を持って取り組める制度を導入しているか
④ スキルを向上した社員が、スキルを活かせる工夫をしているか

【PART3】パネルディスカッション 『社員のキャリア形成を支援する、これからの企業の役割』
《パネリスト》 NECネッツエスアイ 加藤 徳満 氏
オカムラ 佐藤 喜一 氏
ソフトバンク 岩月 優 氏
デジタルハリウッド大学 佐藤 昌宏 氏
《モデレータ》 パソナ 堀内 功

ディスカッションに先立ち、まず3社の取り組み概要をお話いただきました。

■NECネッツエスアイ

事業拡大により会社が変化し続けていることに伴い、当社では「変化し続けるNESIC×挑戦し成長し続ける個人」をテーマに、人材育成に関しては以下の4点を重要ポイントとして掲げています。
① 創造性とイノベーション発揮を培う育成環境
② 成長を牽引する人材育成
③ 新たな価値を創出する多様な人材活躍・登用の推進と風土醸成
④ 自律的な成長への挑戦機会

具体的な取り組み事例として、本日は以下3点をご紹介します。
① キャリアの可視化
社員が自身の行動特性・特徴を可視化し、自律的なキャリア形成が出来るよう支援しています。本年2月から実施した「NESICキャリアアセスメント」を、自身が持つ行動特徴から能力を可視化し、強み・弱みを把握し、自分らしく成長することに役立てています。「全社テクニカルパス」では、自身が保有する資格やスキルを可視化し、リスキリングにより新たな領域へチャレンジ出来るようにしました。
② 学びへの支援
社員が自律的にキャリアを考えることを支援することを目的に、人事評価項目の強化ポイントを意識した「パーソナライズ化」可能な学習システムを提供しています。LinkedInラーニングを全社に導入し、16,000以上のコースから、各人が関心を持った講座がパーソナライズ化され、いつでも視聴可能になっています。また、自身の階層や役割に合わせた推奨動画や、人事評価のコンピテンシー項目と連動したスキルアップも図っています。
③ 新規事業創出(ピッチコンテスト)による成長
新しい事業を考え、創出すること=「個」と「組織」の成長の場を全社で提供。「新規事業ピッチコンテスト(出る杭)」を毎年実施し、事業化に向けた複数の実証実験を行なっています。これらの取り組みの土台となり欠かせない項目が、Well-beingの推進と心理的安全性の確保です。その他にも、社員と経営陣との対話や健康経営の推進など、様々な取り組みを推めています。

■オカムラ

当社のパーパスは「人が活きる社会の実現」であり、中期経営計画で目指すもののひとつに「人財育成と働きがいの向上」があります。当社の社員のキャリア支援の核になる考え方は「キャリアジャーニー」で、以下の3つの機会を連動させ構成しています。
① 学び続ける機会: 知識やスキルなどの能力向上のための研修・オカムラユニバーシティ
② 挑戦する機会: 将来を見据えたキャリア形成のための経験づくりや専門的な学びの場
③ 相互理解する機会: 1on1や育成面談・話し合いなど、お互いの考えや想いを理解する場

挑戦する機会のひとつとして、グループ内の幅広い領域にビジネスデザイナーを育成し、新規事業や業務改善のアイデアが現場から湧き上がる、DX風土を醸成することを目的としたDXラーニングプラットフォーム(DXLP)を設置しました。知識や知見を習得すること自体が目的ではなく、学んだ知識や知見による企画事案を、実装に結び付けることをゴールにしていることが、大きな特徴です。DXLPメンバーにより、AIによる員数カウントや製品選定ツールの作成など、実際にいくつかのプロジェクトが既に実装に移り、効果を上げています。

■ソフトバンク

当社に共通する考え方は「自ら手を挙げた人に機会を提供する」こと、徹底的にこの「手挙げ」にこだわっています。「ソフトバンクアカデミア」「ソフトバンクユニバーシティ」「ソフトバンクイノベンチャー」の3つの育成機関を用意していますが、いずれも強制ではなく、手挙げで参加者を募っています。学ぶ内容やタイミングも多様なため、67コースの手挙げ研修を用意しており、eラーニングや動画など学び方も様々で、幅広いニーズに応えるコンテンツを用意しています。
経営理念の実現に貢献する人材育成を目的としたソフトバンクユニバーシティは、これまでに約17,500名が受講しています。また当社では、社員が社員を教える風土もあり、手挙げで募集した社内講師(これまでに総勢103名)が活躍しています。それ以外のキャリア支援策としては、ソフトバンク版のキャリアドックを用意。定期的にスキルを見直し、キャリアを考えることを目的に、自己申告制度・年代別キャリア研修・個別キャリア相談を実施すると同時に、学ぶ社員を支えるための仕組みとして、資格取得支援制度・自己成長支援金の支給・働き方改革なども実施しています。学びを活かせる場づくりにも力を入れ、全社ジョブポスティング/FA制度・社外副業・ソフトバンク流社内副業なども設け、自ら手を挙げてチャレンジする機会を通じ、企業文化を醸成しています。

Q1.ミドル層・シニア層など、年代によりキャリアに対する考え方が大きく異なりますが、年代別でキャリア支援の方法を変えていますか?

■オカムラ 佐藤氏
5年前に60歳から65歳へ定年延長したことに伴い、56歳と59歳を対象にしたキャリア研修を実施しています。また29歳と34歳の若手には、自身の将来プランをしっかり描くための研修を進めています。
■ソフトバンク 岩月氏
当社の手挙げ式研修では、年齢制限は設けていません。一方、キャリア研修は年代毎に課題が異なるため、30代ではビジョン、40代ではこれまでの経験の棚卸、50代では会社にどのようなことを残せるか等、各々の年代でテーマの重きを変えて工夫した研修にしています。
■NECネッツエスアイ 加藤氏
年代による教育カリキュラムは設けていませんが、年代別のキャリア研修では、30-40代はキャリアを考えることを意識的に、40-50代はキャリアだけではなく、マネープランも含めた研修として実施しています。

Q2.社員が自律的に学び、自ら学びをマネジメントするような「学ぶ」企業文化の醸成に向けて、意識的に取り組んでいる仕掛けや仕組みがあれば教えてください。

■NECネッツエスアイ 加藤氏
学校の義務教育のような一律的なものではなく、パーソナライズ化された学習システムの導入により、社員の学ぶ意欲や利用率が上がりました。一方、各自がそれぞれ学んでいるため、アセスメントツールによる強み・弱みの可視化を可能にし、自身で成長実感を得ながら学べるような仕組みづくりに力を入れています。
■オカムラ 佐藤氏
元々創業者が教育に力を入れていたこともあり、より”自律的な学び”を実現する場として企業内大学「オカムラユニバーシティ」を開校し、年間660名程が自主的に受講しています。自らの提案方式で海外留学へチャレンジしている社員もおり、自ら手を挙げて学ぶ風土が醸成されつつあることを感じています。
■ソフトバンク 岩月氏
「環境整備」「事業戦略に即したプログラムの提供」「セグメント別のプロモーション」の3点がポイントです。業務時間内に学べるように働き方改革を進めることや、会社の目指している方向性とそのプログラムの方向性が合致していること、また社員に寄り添い、その学びがどう役立つのか、セグメント別に伝えていくことが非常に重要だと考えます。
■デジタルハリウッド大学 佐藤氏
メタ認知をするための機会を増やすこと、また“待つ”ということも教育においては重要であると考えています。やる人・出来る人には徹底的に機会を与える制度や仕組みなどにより、アクティブラーナーに魅力を感じてもらえるような企業体制を考える必要があるのではないでしょうか。

Q3.社員が、社会課題解決に高い関心をもってもらうための施策や、自主的に参画する仕掛けがあれば教えてください。

■NECネッツエスアイ 加藤氏
これまで上司に指摘されて初めて問題点を認識していた社員が、ピッチコンテストによって自分達に出来ることは何かを自ら考え始めました。このコンテストから派生し、ベンチャー企業とタッグを組んだ業務や、学校と組んだ産学での研究発表に繋がった事例もあります。また「お客様の困りごとは何か?」に着目していくと、結果として社会課題解決に繋がっていくと感じています。

Q4.社員のキャリア形成を支援するこれからの企業の役割について教えてください。

■オカムラ 佐藤氏
学び続ける機会や挑戦する機会をしっかり構築していくことが重要です。当社ではキャリアジャーニーを実現していくため、上司としっかり話し合い、一緒に考えていく取り組みも重視しています。学ぶ企業風土はあるものの、より多くの社員が手を挙げて挑戦出来るような土壌づくりを更に進めていきたいと考えています。
■ソフトバンク 岩月氏
学び続けることがメリットであることをどれだけ伝えることが出来るか。また、品質の高いプログラムを提供するだけではなく、そこで学んだことが活かせる場づくりの両輪を回していくことが重要だと考えます。FAやジョブポスティング制度など、人事部門全体で仕組みづくりに力を入れています。
■NECネッツエスアイ 加藤氏
成長実感こそが人のモチベーションになるため、学びを活かせる場が必要です。自身の可能性をいつでもどこでも見つけられるような、気付きを生み出せる教育を提供出来ればと考えています。
■デジタルハリウッド大学 佐藤氏
テクノロジーの進化に伴い、教育という手段を取らなくても、いつでもどこでも誰もが学ぶことが出来るようになります。企業と従業員の関係性でみると、優秀な人材ほど企業に頼らず自律してしまう傾向は、今後も出てくると思います。企業の事業計画に沿って人材を当てはめ、企業側が学ぶコンテンツをピックアップし並べるのではなく、例えば自社の社員の持つスキルから新規事業を考えるなど、これまでの枠を外して、未来のあり方を考えていかなければ、テクノロジーの進化に企業は遅れを取ってしまうのではないかと考えています。

◎セミナーを終えて

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    他社がどのように工夫をしながら、社員のキャリア開発に取り組んでいるのかを伺うことができ、またたくさんの質問にも一つひとつお答えいただいたので、とても参考になった。 先進企業では社員の手挙げ式で研修の機会を提供していることが改めて認識できた。当社も社員が自ら学ぶ社風づくりに取り組んでいきたい。 社員の学びを、会社(の業務)にもっと活かす方策を真剣に考えねばと思った。 会社が準備し教育するのではなく自ら学ぶ、このマインドセットを持っている人がどんどんありたい自分を手に入れていく。会社の中でのやりたい仕事に手を挙げFAしていく、チャレンジしていく。社内にその環境がなければ、外に出て実現していく。一方で、社内にどんなマインドを持って、ありたい自分に向け、どういう学びをしていて、今の業務は何で、その業績や評価がどうなっているのかといったタレント情報から、その人たちを異動させたり、新たな事業を創っていくという示唆が、大きな気付きとなった。 期待以上のお話を聞け、たいへん満足した。各社がプラチナキャリア・アワードで表彰された理由がよく理解できる内容だった。各社とも企業姿勢の中に、社員一人ひとりへの期待と愛情を感じるキャリア教育を取り入れている。自主性を大切にしつつ、必要に応じて強制的に機会を提供している様子が具体的に分かり、とても参考になった。それぞれの取り組みをもっと詳しく教えていただきたいと思った。 各社の取り組みが、たいへん勉強になったが、本人に成長実感をどう感じてもらうかが成功の鍵だと改めて感じた。 各社の具体的な社内教育の考え方、実施方法や勘所が聞けて、非常に参考になった。①長期的な視点②自律的な学び③社会課題解決 の3つの視点を考慮しながら取り組んでいくことの重要性を実感した。 各社ともに自主性を促しながら、自律した社員を育んでいる様子が伝わってきた。 会社の視点ではなく、個の視点に立って、キャリア自律に向けた支援が必要という世の中に変わってきていることを実感した。 キャリア開発していく上で、人材開発・人事異動・人事制度など様々なものを複合的に考えていく必要があることが、よくわかった。 人事企画や制度設計を考えるにあたりとても参考になる実例や、導入にあたり注意した点等をお伺いでき、とても勉強になった。また、学んだあとに活かせる環境を創るという点においては、企業規模・展開する事業等に大きく左右されると感じており、弊社ではそこが課題になると感じていた。佐藤教授の「人材データから事業計画を練り、活かせる環境をつくる」という逆転の発想に意表を突かれた。本日のお話を参考に、従業員が活躍でき、企業も成長できる仕組み作りに尽力していきたい。 佐藤教授の最後のコメント「社員が持っている特技を使って、会社が新しい事業に着手することを考えてみる」という提言にはびっくりしたが、会社もシフトをしていかなければと目から鱗が落ちた。 佐藤教授の講演は、公教育改革から今後の企業人への課題など多くの気付きや学びを得た。パネリストの皆様からも、それぞれの企業の考え方や施策を伺え大変有意義だった。 ソフトバンクの岩月氏の学びのための環境整備や学んだことを社内で活かせる場作りのお話が、とても印象に残った。 ソフトバンクは、採用時点で自律している社員や、自身でキャリアを考えたり、手上げが出来て自己研鑽力が高い社員が多いため、できる部分(企業風土・文化)も多いのかと思った。また、一度導入したら終わりではなく、運用しながら、また対象者の安全性を担保しながら制度を運営する。上司の承認ではなく否認(取り消し)ができる仕組みなど、常にTry&Errorを繰り返して徐々に定着させている印象を持った。オカムラは、当社の取り組みにかなり近い印象があり(DX人材育成、オカムラジャーニー、オカムラユニバーシティなど)、聴きやすかった。所属長の意識改革により、手上げではなく、まずは毎月数時間の学ぶ場を設定するなど、ソフトバンクとは逆のアプローチだが、こちらも面白い取り組みだと思った。NECネッツエスアイは、他の2社よりドメスティックな組織の中で、このような取り組みを徹底していることに共感が持てた。内製化だけではなく、上手く外部プロダクツも活用しながら、また社内だけではなく、学校やベンチャー企業との協業など、外部との連携をキーワードに、社員教育を展開している印象を持った。
  • 登壇者の感想は・・・

    デジタルハリウッド大学 佐藤 昌宏 氏

    デジタルハリウッド大学 佐藤 昌宏 氏

    「公教育改革によって“個別最適化された自律的な学び”を知った子どもたちが活躍する社会。これからの優秀な学習者は、起業とも異なり、組織に頼らずとも独立して生きていけるのかもしれません。そんな中、これからの企業にはどんな魅力があるのか、これからのプラチナキャリアについて、更に深く考えなくてはいけないと感じました」
    株式会社三菱総合研究所 高橋 寿夫 氏

    株式会社三菱総合研究所 高橋 寿夫 氏

    「プラチナキャリアとは①長期的視点②自律的な学び③社会課題解決の3つを、働き手自らが実践するキャリア像です。人的資本情報の開示義務化に伴い、社員のキャリア形成をサポートする必要性は一層高まることが予想されます。今回のセミナーでの報告や受賞企業の取り組み事例が、皆様の新しい働き方の推進に繋がれば幸いです」
    NECネッツエスアイ株式会社 加藤 徳満 氏

    NECネッツエスアイ株式会社 加藤 徳満 氏

    「人生100年時代が到来する中、企業と個人の関わり、働くことの概念が大きく変化していることを肌で感じています。『変化し続けるNESIC × 挑戦し成長し続ける個人』を掲げる弊社の取り組みが、少しでも皆様の参考になれば幸いです」
    株式会社オカムラ 佐藤 喜一 氏

    株式会社オカムラ 佐藤 喜一 氏

    「人生100年時代の“プラチナキャリア”づくりは、100年という永い人生をどのように自分らしく生きていくのか?自らが考え、自らが行動することが一番大事だと思います。自らが将来のキャリアジャーニーを描き、それを実現するための支援に重点をおいた当社の取り組みを紹介しましたが、参考になりましたら幸いです」
    ソフトバンク株式会社 岩月 優 氏

    ソフトバンク株式会社 岩月 優 氏

    「セミナーへの登壇機会をいただき、ありがとうございました。 弊社は“手上げ”に拘りつつも、日々悩み改善しながら、ソフトバンクユニバーシティを進化させてきました。 このプロセスや仕組みが、少しでも皆様の取り組みの参考になったなら幸いです」
    株式会社パソナ 堀内 功

    株式会社パソナ 堀内 功

    「社員自ら学びをマネジメントするような企業文化は一朝一夕にできるものではありません。各社の皆様から長い年月の中で工夫を凝らして作り上げたプラチナキャリアづくりの取り組みを紹介していただきましたが、各社とも共通して、社員の挑戦を応援する想いを感じました。ご参加いただいた皆様にとって、本セミナーが想いを形にする一助になりましたら幸いです」